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東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻

研究メンバーMEMBERS

研究活動は都市資源管理研究室として、森口祐一教授,中谷隼講師と共に行っています。
研究室の全メンバーは,都市資源管理研究室メンバーをご覧ください。

以下は栗栖が主に研究指導に関わっているメンバーです。

Phuphisith Sarrunoud
(D3)
バンコクにおける環境行動の現況把握及び
行動促進に向けた有効な提供情報の検討
Bitian Fu
(D3 委託研究生)
中国における大気汚染改善に向けた人々の意識の把握
Pagnarith Srun
(D1)
カンボジアのプノンペン市におけるオープンスペースへの
廃棄物投棄行動の実態と改善施策の提案と評価
室城 智志
(M2)
農業との共存に向けたソーラーシェアリングの評価
孫 躍成
(M1)
グリーン・サービサイジングの中国における消費者受容性

研究内容RESEARCH TOPICS

以下は特に栗栖が中心に進めているテーマです。

環境配慮行動の促進

「市民の環境配慮行動実施状況の把握と心理因子の関連評価」

様々な環境施策を評価するにあたっては、その施策によりもたらされる環境負荷の算定に加えて、施策の対象となる住民の意識を明らかにすることが、効果的に施策を遂行する上で重要といえます。当研究室では、家庭における多種多様な環境配慮行動を取り上げ、それらが実際に市民にどれ程実施されているのかを、大規模アンケートにより明らかにすると同時に、行動の背後にある心理因子を明らかにする研究を進めています。また、特に東日本大震災以降の節電行動に絞った評価も実施しています。

下図は共分散構造解析による各環境配慮行動への心理因子の影響構造解析の結果の一部です。

「情報提供が環境配慮行動にもたらす影響評価」

人々の行動を促進する手法の一つとして、情報提供があります。当研究室では、LCAにより算定した環境負荷の情報や、心理因子に働きかける情報等、様々な情報が、人々の行動意図にどのような影響を与えるのかを明らかにする研究を進めています。
具体的には、例えば、ソウル市民を対象に、様々な情報提供の効果をアンケート調査にて明らかにすると同時に、現地の大手フリーペーパーにおいて実際に情報提供を行い、その効果を検討するといった社会実験なども行っています。(下記図は情報提供した際の図の一部)



「ライフサイクル的な思考法教育に向けた基盤整備」

大人になってからの行動変容は容易ではありません。初等教育からの素養として、消費に伴う環境負荷の認識を養っていくことが重要と言えます。本研究では、日常生活に近い要素を扱う家庭科教育の中で、ライフサイクル的思考法を教育していくための枠組みや教材、LCAデータベースの検討を行っています。さらに整備した日常行動に関わるLCAデータベースは、大人へのアプリ等への利用も考え得ます。これらの要素を検討するため、現在は下記のような研究を進めています。
・LCAデータ利用に伴うユーザー(消費者、ツール開発者)ニーズの明確化
・ゲーム性の高い魅力的な環境教材の開発と試行
・現行家庭科教科書における環境要素の取り扱い状況のテキスト分析による評価(下図)

リスクコミュニケーション

市民生活においては、専門家が提供する技術と、それを利用する市民の間で情報や理解のギャップを生じていることが見受けられます。当研究室では、市民とのコミュニケーションの例として、リスクコミュニケーションを取り上げ、どのようにリスクを伝えることによって、市民の理解が深まるかを検討しています。

「飲料水における情報提供とリスク認知の関連性評価」
特に飲料水を取り上げた研究では、市民に様々な飲料水のリスクに関わる情報を提供した場合に、人々のリスク認知がどのように変化するかを評価しています。例えば、水道水に関して、クリプトスポリジウムやウイルスなどの情報と、塩素消毒の情報を提供した場合や、感染事例の情報を提供した場合のリスク認知の変化を見ています。また、数値情報として、DALY (Disability Adjusted Years)を提供する場合を想定し、その場合、数値の示し方の違いによる、リスク認知への影響評価を行っています。

「食品のリスク認知構造と情報伝達法の検討」
また、日常的に人が摂取しなければならない食品を取り上げ、そのリスク認知の構造を明らかにすると同時に、どのような情報提供を行えば、人々の漠とした不安を取り除けるのかを検討する研究を進めてきています。

生活の質(QOL: Quolity of Life)

「都市におけるQOL」

○○○○○○○○イメージ都市のあり方を考えるにあたっては、環境面からの負荷を減らすだけでは不十分で、そこに暮らす人々の生活の質(Quality of Life: QOL) を維持あるいは向上させることが望まれます。

では、そもそもQOLとしては、どのようなものを扱い、どのような指標で評価し、また誰のQOLを考えればいいのでしょう。

我々の研究室では、例えばこれから高齢化する社会におけるQOLとは何なのか、またQOLを保っていくにはどのような施策を考えれば良いのか、そのためにはどのようなインフラが必要か、といった様々な視点から、都市の生活の質を考慮した環境共生型都市のあり方について検討を進めています。


水辺の価値評価

○○○○○○○○イメージ

「水辺に対する住民の価値評価構造の評価」

都市における水辺は、親水空間として重要な役割を果たしていると言えます。しかし、その捉え方は、人によって大きく異なってきます。どれ位のお金をかけて、どのような親水空間を構築するのが良いのかを検討するには、人々の水辺に対する価値評価構造を明らかにしていくことが必要といえます。
 当研究室では、オンラインアンケート、コンジョイント分析、共分散構造解析、潜在クラス分析などを通して、人々が水辺に対して抱く価値評価を定量的に明らかにする研究を進めています。

「江戸城外濠における環境用水導入に伴う水質改善効果の評価」

城郭濠は都市における重要な水辺空間のひとつです。しかし、閉鎖性水域である場合も多く、夏場にアオコが発生する等、水質面で問題を抱えている堀も多く見られます。江戸城外濠についても、主たる水源が天水とCSO(合流式下水道雨天時越流水)のみであり、水質は必ずしも良いとは言えません(右写真は夏場におけるアオコの大発生)。当研究室では、主に、新たな水源の導入によって希釈することによる、外濠での水質改善を目指し、下水処理再生水導水の効果を、導水ルートや水量、水質の面から検討しています。


Infoworks, GISによる外濠への流入CSOシミュレーション

その他のテーマ

「まずは研究室の扉をたたいてみて下さい」

「持続可能な社会の構築」というのは、とても幅広い概念であり、関連する研究は多種多様なものが有り得ます。皆さんが興味を持つ研究テーマがある場合には、まずはそのアイデアを持って研究室の扉を叩いてみて下さい。より適切な、都市環境工学講座の他の研究室を紹介できるかもしれませんし、内容を詰めて行くことで、我々の研究室で行う事が可能かもしれません。また、当研究室では、実験を行う学生も受け入れています。単に水処理や廃棄物処理といった技術開発に留まらず、実際の生データを取りつつ、その社会の中での重要性を評価するといった複合研究を進めることが可能です。