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東京大学大学院工学系研究科 都市工学専攻

研究メンバーMEMBERS

研究活動は都市サステイナビリティ学研究室として、福士謙介教授と共に行っています。
研究室の全メンバーは,都市サステイナビリティ学研究室メンバーをご覧ください。

研究内容RESEARCH TOPICS

以下は特に栗栖が中心に進めているテーマです。2020年度より特に気候変動による生活の質への影響評価および適応策の検討に関する研究を進めています。
都市サステイナビリティ学研究室における研究テーマはこちら⇒

 環境配慮行動の促進

「市民の環境配慮行動実施状況の把握と心理因子の関連評価」

様々な環境施策を評価するにあたっては、その施策によりもたらされる環境負荷の算定に加えて、施策の対象となる住民の意識を明らかにすることが、効果的に施策を遂行する上で重要といえます。当研究室では、家庭における多種多様な環境配慮行動を取り上げ、それらが実際に市民にどれ程実施されているのかを、大規模アンケートにより明らかにすると同時に、行動の背後にある心理因子を明らかにする研究を進めています。



◆環境配慮行動全般
◆シェアリング
◆食選択(タンパク質源の選択など)
◆食品廃棄物削減
◆廃棄物関連行動
◆低炭素行動

「情報提供が環境配慮行動にもたらす影響評価」

人々の行動を促進する手法の一つとして、情報提供があります。当研究室では、LCAにより算定した環境負荷の情報や、心理因子に働きかける情報等、様々な情報が、人々の行動意図にどのような影響を与えるのかを明らかにする研究を進めています。以下がこれまで実施してきたkネ級の一例です。

◆ソウルにおけるフリーペーパーを用いた情報提供の効果
◆バンコクにおけるLife Cycle Thinking に基づく情報提供の効果
◆プノンペンにおけるごみ投棄行動に対する異なる情報提供への選好評価
◆食に関わる異なる情報提供(環境や健康など)の効果の評価
◆地方自治体における情報提供の現況と市民の認知

「ライフサイクル的な思考法教育に向けた基盤整備」

大人になってからの行動変容は容易ではありません。初等教育からの素養として、消費に伴う環境負荷の認識を養っていくことが重要と言えます。また、製品の消費に伴う環境負荷をライフサイクルで捉える考え方はやや複雑で、大学生などを対象とした教育も重要といえます。本研究では、Life Cycle Thinking (LCT)を培う教育や、楽しみながら学べる教材の開発を進めています。



◆LCAデータ利用に伴うユーザー(消費者、ツール開発者)ニーズの明確化
◆ゲーム性の高い魅力的な環境教材の開発と試行
◆現行家庭科教科書における環境要素の取り扱い状況のテキスト分析による評価
◆大学生を対象としたLCT教材としての双六の開発と評価


 地域産業・生活への気候変動の影響と適応策の評価

以下の研究は、環境省総合研究推進費・戦略的研究開発領域(I)S18「気候変動影響予測・適応評価の総合的研究」テーマ4「国民の生活の質(QoL)とその基盤となるインフラ・地域産業への気候変動影響予測と適応策の検討と評価」サブテーマ4(1)「生活の質(QoL)から見た地域の気候変動脆弱性の評価と適応策の検討と評価」として実施中の研究課題です。

「市町村の気候変動影響の認知と適応策策定状況の把握」

気候変動への適応にあたっては、各自治体が自地域への気候変動の影響をどう捉え、それに対してどのような対策を実施しているかの現況を把握することが重要となります。本研究では、各地域の現況をアンケート調査及び客観的データから明らかにしていく研究を進めています。

「地域の観光業への気候変動影響評価と 

 適応策の検討」

気候変動によって影響をうける地域産業には農林水産業の他に観光用が挙げられます。観光業として影響が深刻なものにはスキー・スノーリゾートが挙げられますが、それ以外にも海浜・マリンリゾートや、生態系、開花や紅葉などに伴う祭りなど様々なものがあります。本研究では区地域の持つ観光資源に基づいた類型化、気候変動の影響評価、および適応策の検討を進めています。

「生活の質(QoL)を評価する枠組みの構築と気候変動影響評価」

地域における生活の質は様々な要素により影響を受け、その中には気候変動の影響を被るものとそうでないものがあります。本研究では、地域のQoLを評価できるモデルを構築した上で、そのモデルを用いて気候変動影響を評価すると共に、QoLを維持向上しうる適応策の検討を進めています。

 リスクコミュニケーション

市民生活においては、専門家が提供する技術と、それを利用する市民の間で情報や理解のギャップを生じていることが見受けられます。当研究室では、市民とのコミュニケーションの例として、リスクコミュニケーションを取り上げ、どのようにリスクを伝えることによって、市民の理解が深まるかを検討しています。





 低炭素型都市構造の提案

地域の緩和策を考えるにあたっては、人々の行動のみならず、地域資源を生かす試みや再生可能エネルギーの導入など地域マネジメントの視点も重要となってきます。我々の研究室では以下のような研究をこれまで実施てきています。

◆ソーラーシェアリング導入効果の評価
◆複合街区におけるエネルギー融通の効果の評価
◆再生可能エネルギー導入効果の評価




 水辺の価値評価

○○○○○○○○イメージ

都市における水辺は、親水空間として重要な役割を果たしていると言えます。しかし、その捉え方は、人によって大きく異なってきます。どれ位のお金をかけて、どのような親水空間を構築するのが良いのかを検討するには、人々の水辺に対する価値評価構造を明らかにしていくことが必要といえます。
 当研究室では、オンラインアンケート、コンジョイント分析、共分散構造解析、潜在クラス分析などを通して、人々が水辺に対して抱く価値評価を定量的に明らかにする研究を進めています。

城郭濠は都市における重要な水辺空間のひとつです。しかし、閉鎖性水域である場合も多く、夏場にアオコが発生する等、水質面で問題を抱えている堀も多く見られます。江戸城外濠についても、主たる水源が天水とCSO(合流式下水道雨天時越流水)のみであり、水質は必ずしも良いとは言えません(右写真は夏場におけるアオコの大発生)。当研究室では、主に、新たな水源の導入によって希釈することによる、外濠での水質改善を目指し、下水処理再生水導水の効果を、導水ルートや水量、水質の面から検討しています。


Infoworks, GISによる外濠への流入CSOシミュレーション

その他のテーマ

「まずは研究室の扉をたたいてみて下さい」

「持続可能な社会の構築」というのは、とても幅広い概念であり、関連する研究は多種多様なものが有り得ます。皆さんが興味を持つ研究テーマがある場合には、まずはそのアイデアを持って研究室の扉を叩いてみて下さい。より適切な、都市環境工学講座の他の研究室を紹介できるかもしれませんし、内容を詰めて行くことで、我々の研究室で行う事が可能かもしれません。また、当研究室では、実験を行う学生も受け入れています。単に水処理や廃棄物処理といった技術開発に留まらず、実際の生データを取りつつ、その社会の中での重要性を評価するといった複合研究を進めることが可能です。